本人の希望もあり、また遠方からわざわざ来院するというのもお気の毒で、治療は焦らず、時間をかけてゆっくりということになりました。
実際に、人工歯根(インプラント体)を埋入する「一次手術」を行ったのは、半年後、二○○二年の二一月になってからです。
手術中は、全自動モニターで自動的に血圧や心電図を一○分おきにとり、血圧・脈・呼吸・心電図・酸素飽和度の状態などを管理しながら行います(この全身管理は、これから紹介するどのケーススタディでも同様に行います)。
麻酔は、局所麻酔と笑気ガスを使用しました。
歯肉を切開し、ドリルで歯槽骨に穴(インプラント嵩)をあけたところに、人工歯根を一本ずつ合計二本埋め込み、切開部を縫合するまで、手術時間は約三○分で終了しました。
念のため、術後Aさんに確認すると、「あっという間に終わっていました」とのことです。
一時間ほど休んでいただき、日常生活の注意点をまとめたプリントと抗生物質および消炎鎮痛薬をお渡しして、帰宅していただきました。
一週間後に抜糸と手術後の状態を確認するため来院してもらいましたが、特に異常はなく、「アドバイスしたとおりの生活を続けてください」とお話ししました。
二次手術は、予定どおり六か月後の九月に行いました。
前記のように、下顎の骨に比べ、上顎の骨に人工歯根が結合する時間は倍近くかかります。
これは、下顎の骨のほうが上顎よりも堅固にできており、上顎の骨は軟らかくできているためとお考えください。
一般的な二回法では、人工歯根を埋入した部分は一次手術の際に縫合してあるので、二次手術で支台部(アバットメント)を取り付けるためには、再度切開しなければました。
なりません。
しかし、Aさんの場合は、比較的軽い手術でしたので、こういうケースでは、わざわざ切開をせずに、パンチという器具で歯肉の一部を軽くくりぬくようにすればよいのです。
人工歯根と支台部のつなぎ目はネジ式になっていて、しっかりと固定されます。
止血処置まで含め、手術時間はほぼ一五分で終了しました。
術後の一般的な管理は、前回の一次手術と同様です。
ここで初めて口のなかに支台部が突出した状態になりましたので、これからは念入りに支台部の消毒と清掃を行っていただくように説明し歯肉の状態が安定したころを見計らい(これは個人差がありますが、Aさんの場合は二週間後でした)型をとります。
それをもとに人工歯冠(陶材焼付鋳造冠いわゆるセラミック)を作製し、二か月後の二月に支台部に取り付けました。
人工歯冠を作製するにあたっては審美性を重視し、Aさんの左側の前歯に合わせて、天然歯の色と微妙なカーブを再現しました。
その後は、インプラントを装着しての試用期間です。
どこかに不都合がないかどうかを、患者さんが普段の生活をすることにより、確かめることが目的です。
一週間後、噛み合わせのチェックのため来院していただき、インプラントに異常がないかどうかを確かめました。
噛み合わせのチェックをし、削合(さくごう)という若干の微調整を行い、これで治療のすべてが完了しました。
Aさんには、その後一か月、三か月、六か月という間隔で定期検診のため来院していただきましたが、まったく異常はみられませんでした。
現在も経過はきわめて順調で、Aさんのインプラントに対する期待に、十分に応えることができました。
「非常にきれいにできたので、たいへん満足しています。
ぜひ友人にも紹介したい」というのがAさんの感想でした。
義歯が不満で、もっと若くありたいという願いをインプラントにより実現した例。
Bさんは、五二歳の主婦です。
上顎の前歯二本と右側の四・五・六番の歯を欠損していました。
来院されたのは、二○○一年九月のことです。
カウンセリングでBさんの話を聞いた結果、次の事実が判明しました。
Bさんは、それまでは入れ歯をしていたのですが、自分が老けていくような気がしてどうしてもその入れ歯が口に合わず、主治医に違和感を訴えていました。
しかし、そうしたBさんに対して、そうです。
の歯科医師は「そんなに入れ歯がいやで、わがままをいうなら、大学病院に行くしかありませんな」と、サジを投げてしまいました。
そのことばにBさんはひどく傷つきました。
もともと神経が細やかな人でもあったうえに、その歯科医師との相性が悪かったのかもしれません。
私のところへ来院されたときは、「入れ歯恐怖症」といってもいいぐらい、すっかり自信を喪失していました。
詳しく話を聞くと、弟さんがインプラントでたいへん調子がよいので、インプラントにしてみたいと私のクリニックを受診された私は、このBさんの場合、入れ歯に対する恐怖心を取り除くことが先決で、しかも治療には時間がかかることを予測しました。
そこで実際に診療を始める前に、なるべく時間をかけて話し合いをもち、その間を利用して、それまで使用していた入れ歯を私なりに調整してみました。
そうしたところ、だいぶ口に合うようになったせいか、それまでのような不満は聞かれなくなりました。
私は、「入れ歯が口に合うようであれば、このまま様子をみてもよいのではないですか」といいましたが、Bさんは「先生のおかげで、入れ歯の具合はすっきりしましたが、なんだか年寄りじみていていやなので、もっと若々しくなるために、やはりインプラントにしてほしい」と強く希望されました。
そさて、本来なら歯肉の回復を待って、手術の二〜三週間後には型をとるはずでしたが、「どうせきれいな歯をかぶせるならば、一緒に隣の歯もお願いします」ということでインプラント治療について十分に説明をし、納得されたので、診査・診断を始めました。
全身状態に異常はなく、パノラマエックス線でみても歯槽骨の状態は良好で、手術に際しての問題はありません。
一次手術を行ったのは、二○○二年三月でした。
Aさんの場合と同様に、麻酔は局所麻酔と笑気ガスで行い、効果が現れたころを見計らって、歯肉を切開し、歯槽骨にドリルで穴をあけます。
Bさんは上顎の前歯二本と右側の四・五・六番の歯がありませんでしたから、全部で五本の人工歯根を埋入しました。
切開面を縫合し、手術が終了するまで約一時間でした。
術後、一時間ほど休んでいただき、その間を利用して、術後の日常生活の注意点をお話ししてから、帰宅していただきました。
次に二次手術を行ったのは、一○月に入ってからです。
ここで支台部を人工歯根に取り付けましたが、Bさんも切開はせずにパンチで軽く歯肉をくりぬくようにしました。
このほうが患者さんの負担が少なく、傷口の回復が速いからです。
手術の所要時間は約三○分でした。
局、両側二番と右側三番も、審美的に再治療することになりました。
そのため、少しスケジュールに遅れが出ましたが、二○○三年の一月に両側三番と右側三番の補綴物(セラミック)を装着し、同時に人工歯冠(セラミック)を取り付けて無事治療は終了しまおうかした。
現在では、一○歳は若返った気持で人生を調歌されているとのことです。
歯科恐怖を克服し、下顎の左側三本をインプラントで治療した例次に紹介するCさんは、四六歳の主婦で、下顎の左側四・五・六番の三本の歯を失った患者さんでした。
Cさんが初めて来院されたのは一九九八年五月です。
現時点で最高のインプラントが帰ってきました。本当に使えるのはインプラントです。
インプラントに関するアドバイスです。欲しいインプラントが欲しい所に来た感じです。
インプラント対策にお困りですか?和の心を加えたインプラントです。


